何か新しいことが生まれる前兆として「罅(ひび)」をテーマに描く

東京港区で会社の社長として事業を行う傍ら、社長室で制作活動を行うAki山さん。
コロナ禍で「罅(ひび)」のテーマと出会い、作品ごとに挑戦を繰り返し作品を生み出していく。

「罅」と発色のいい色合いが印象的な作品なのですが、いつ頃から制作されているのでしょうか?

アクリル絵の具を使い始めたのは2020年からです。昨年この「罅(ひび)」と出会って「あ、なんかかっこいいじゃん」といったところから作品の展開をしていきました。

絵を描かれるようになったきっかけを教えていただけますか。

会社を30歳で設立して、ちょうどその時に絵を描き始めました。それまでも趣味でずっと描いていたのですが、昨年のアクリル絵の具と罅との出会いからしっかりと描くようになりました。

罅を通じて表現したいことはありますか?

新しい可能性を掴んで欲しい。というのが僕の中では一番考えていて、大きなテーマかなと思います。建築でもそうなのですが、罅が入ると塗装を塗り直さないといけないですよね。何か動かないといけないきっかけであったり、何かがが生まれる前兆に罅というのがあるので、それを表現しています。罅の中にある無限の可能性というのを追求しています。

絵を描く上で大切にしていることはありますか?

新制作の上では、躍動感や罅の見え方がどうすれば綺麗に見えるかということを常に考えています。最近は特に下地にこだわるようにしていて、材料を工夫したり、盛り上げ剤を使って凹凸をつけて変化を出したりしていますね。今までは単色でただ塗るだけだったのですが、いろいろ試しています。

どういった時に作品を描きたくなりますか?

「降りてくる」といったら変な言い方なのですが、そういう時があるんです。ただ、正直なかなか降りてこない。(笑)だから逆に定期的に触っているという感じです。試していく中で「かっこいいな」という形を切り出していくことをしています。

どういった時間帯に制作されていますか?

夜が多いです。日中はやっぱり仕事をしているので、終わってからの時間で書くようにしています。

アート以外で何か趣味などはありますか?

釣りが好きです。実はアクリル絵の具を触ったのは釣りがきっかけでもあったんです。ルアーのカラーリングを変えたりおしゃれにしたいな、と思った時にアクリル絵の具で試しにカラフルに塗ってみたんです。

好きな画家さんはいますか?

一番はピカソです。箱根にピカソ美術館があって、そこでグレーの作品を見た時に初めて、すごくかっこいい色だなと感動してから好きになりました。中学の時はラッセンが好きで海とかを描いていました。

受賞歴はありますか?

今年の4月に出したのが優秀賞と理事長芸術賞を頂きました。

作品を描くこととはどういったことですか?

新しいことに挑戦することですかね。あとは継続は力なり、というのを実践している感じです。

画材にこだわりはありますか?

アクリル絵の具では「AMSTERDAM」のものを使用しています。

今後挑戦してみたいことはありますか?

コンクルールは何個か出していきたいと思っています。公募展とかに挑戦しながら、少しずつ作品を知って頂き、知名度を上げていければと思っています。

アートが持っている力とはどのようなものでしょうか?

今後ホワイトカラーの人たちはAIにとって変わられると言われている中で、そういったAIなどにはできないことがアートにはあると思っています。アートは人間ありきのものなのかなと思います。感動させられるようなことができるのがアートだと思います。

アイデアが浮かぶ時はありますか?

いろんな人と話をしているときですかね。話を聞いて、「あそことあれをつなげたら面白い」という風になるのかなと思います。

行き詰まった時の打開方法はありますか?

僕の場合は描き続けるということですね。失敗したらやり直すの繰り返しです。

アートを通じて届けたい思いはありますか?

コミュニケーション力を高めてもらいたいということは思っています。海外の方って作品に対して個人の意見がしっかりあって、意見を言い合うということの延長線上にアート市場が伸びている気がするんです。日本人の場合は誰かの意見に左右されやすい。そうではなくて自分の意見を持ってコミュニケーションを図って欲しいなと思っています。

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